2008-01-01から1年間の記事一覧

Tieszen 2008

Richard Tieszen "Husserl's Concept of Pure Logic (Prolegomena, §§ 1-16, 62-72)," 2008. つい先日公刊された、『論研』をパートごとに分けて読解する論文集*1の第一章。ふつうの解説に徹したという感じ。 *1:http://www.akademie-verlag.de/olb/de/1.c.1…

Benoist 2008

Jocelyn Benoist "Sur le concept de 'remplissement'," 2008. 久しぶりに真面目にフランス語を読む。"Phenomenological Approach to meaning"の第一講義で示されたフッサールの充実概念についての魅力的かつ斬新な解釈をあらためて論じつつ、敷衍している。…

three articles on tropes

John Bacon, "Tropes," 1997/2008.*1 Arcadiusz Chrudzimski, "Two Concepts of Trope," 2004. Käthe Trettin "New Literature on Tropes," 2004. 年内に終わらせるべきことを終わらせたので、次に終わらせるべきことに取りかかるべきなのだけど、その前…

Ajdukiewicz 1937

Kazimierz Ajdukiewicz "A Semantical Version of the Problem of Transcendental Idealism," 1937. ポーランド語で公刊されたものの英訳を斜め読み。現代論理学の進展を踏まえると、古典的な哲学的問題がいかに漠然としたかたちで立てられてい(て、しかも…

Friedman 2006

Michael Friedman "Kant, Scepticism, and Idealism," 2006. 本筋の研究のほうをやる気分になれなかったので、読みたかったものをさっと読む。カントの超越論的観念論の拠り所である現象と物自体の区別に対するヤコービの批判からドイツ観念論へ、という例の…

Kant, KpV

Immanuel Kant, Kritik der praktischen Vernunft. 演習で担当にあたっているので、準備のために読む。じつにタイムリーなことに、純粋実践理性の要請としての魂の不死と神の実在についてのくだり。難しいけど面白いし、独特の迫力がある文章。理性的信仰に…

Luft 2007

Sebastian Luft "From Being to Givenness and Back: Some Remarks on the Meaning of Transcendental Idealism in Kant and Husserl," 2007. カントの超越論的観念論とフッサールのそれを(フッサール自身がしばしばそうしてしまったように)、単に対立させ…

Lübcke 1999

Poul Lübcke, "A Semantic Interpretation of Husserl's Epoché," 1999. というわけで、報告。いろいろ誤解をしていて、かなり変な解釈をしているところもあるのだけど、あくまでも重要なポイントを内包しつつ間違っている。これを解きほぐして何がまずいの…

Lübcke 1999

Poul Lübcke, "A Semantic Interpretation of Husserl's Epoché," 1999. 次週の勉強会で取り上げる候補を下読み。胡散臭げに見えそうなタイトルではあるけれども、内容はかなりまっとうな論文だということが分かったので、これについて報告しようと思う。

Baxter 2001

Donald L. M. Baxter, "Instantiation as Partial Identity," 2001. Thomasson本勉強会の後釜で、参加者が各自の関心で論文を選んで報告する勉強会が始まる。しょっぱなから癖の強い論文。普遍者についてのアームストロングの見解が話の大前提にある、きわめ…

Kern 1964

Iso Kern, Husserl und Kant, 1964, I. Teil. 重い腰を上げ、博論を書くために絶対に読まなければいけない二次文献*1を片付ける作業をはじめる。とりあえず第一部を読了。突っ込んだ議論のための背景を導入するところなので、あっさりと先に進むことができた…

Ryckman 2007

Thomas Ryckman, "Carnap and Husserl," 2007. 次の課題に向けた準備運動として読む。Ryckmanは、フッサールの超越論的観念論を形而上学的に中立的な立場として解釈し、Aufbauのカルナップ*1と(重大な相違*2があるにもかかわらず)問題意識を共有していると…

Husserl, Hua. Mat. V

Edmund Husserl Urteilstheorie. Vorlesung 1905, 2002. やるべきことをやる気が出ないので、今やらなくてもいいことをやったら、とてもはかどった。昨日と今日で第一部を読了。基本的に『論研』の問題設定の上を動いているのだけど、命題と判断作用の関係に…

学会発表終了

とりあえず、これにて今年の新ネタ出しは終了(あと二つ締め切りがあるのだけど、これはどちらも過去の口答発表を改めて活字にする作業)。結局、3月(フッサール対インガルデン)・7月上旬(フッサールの表現論その一:英語)・7月中旬(フッサールと形而…

Welton 2003

Donn Welton "THe Systematicity of Husserl's Phenomenology: From Static to Genetic Method," 2003. さっと読む。フッサールの思想が1920年代前半にどうやって進展したかについての論述は、かなり説得的。後期フッサールを読むための絶好の見取り図ないし…

1907-9年あたりのフッサールをいろいろ

超越論的観念論が成立したころのフッサールのテクストを、いろいろ読む。Hua. VII, XIII, XXIV, XXVI, XXVIII, XXXVIあたり。ここしばらくは志向性の存在論に気を取られ、実証的な経験科学としてのフッサール文献研究のやり方をちょっと忘れてしまっていたの…

Priest 1999

Stephen Priest "Husserl's Concept of Being: From Phenomenology and Metaphysics," 1999. 斜め読み。いろいろと細部にわたってフッサールを誤解しているとのだけど、いくつか重要な論点を提出しているような気がする。今度もう少し真面目に読んでみるか。

形而上学における志向性の方法

後半部分が思いっきり未完成のまま発表。まあ大筋に関しては問題ないようだ。あとはどれだけきちんと詰められるかという点だけ。

この一週間

発表後のアパシーに苦しめられつつも、次の発表に向けて作業開始。まあどうにかなりそう。これまでで一番「フッサールと私」度の高いものになるな、たぶん。

「志向的対象抜きの志向性の存在論:初期フッサールと後期チザムにおける」

発表。もろもろの事情で手持ち時間が非常に短かったので、コンパクトに話す。まあそれなりの手応え。

志向性の存在論

配布資料を作成。

志向性の存在論

スライドを仕上げる。

Husserl, Hua. XXXVI

Kant, KpV

志向性の存在論(仮)

図を残してスライドがほぼ完成。あとはどこを飛ばすかだ。

志向性の存在論(仮)

同前。あと、スライドを作り始める。人生初スライド。

志向性の存在論(仮)

最初の節がなかなか終わらない。問題設定が一度きちんとできちゃえばあとは楽だ(と信じたい)。

Williamson 2007

Timothy Williamson, The Philosophy of Philosophy, Introduction & chap. 1. 作業の合間に眺めていたら、第一章の終わりまで来てしまった。これはかなり面白い本なのかもしれない。ここまでを読むかぎりでは、自分が現代哲学(というか、「現代哲学」と現…

志向性の存在論(仮)

余計な論点を切り落として、必要な補足を付け加えながら、全体を書き直していく。ようやく仕上げ作業に入った(と信じたい)。

Kant, KpV

Immanuel Kant, Kritik der praktischen Vernunft, 3. Hauptstück. カントゼミの準備続き。なんとか終わらせる。