Welton 2003

  • Donn Welton "THe Systematicity of Husserl's Phenomenology: From Static to Genetic Method," 2003.

さっと読む。フッサールの思想が1920年代前半にどうやって進展したかについての論述は、かなり説得的。後期フッサールを読むための絶好の見取り図ないし叩き台であることは間違いない。のだが、『論研』と『イデーンI』の断絶ばかりが強調されたり、記述的(静態的)/発生的という対概念がブレンターノ由来であることがまったく指摘されていなかったりと、不満も多い。この二つを押さえた上で後期の仕事を眺めると、ウェルトンとはまた違ったフッサールが見えてくると思うのだけど。