Husserl

Hanna 2008, De Palma 2008

Robert Hanna, "Husserl's Arguments against Logical Psychologism (Prolegomena §§ 17 - 61)," 2008.*1 Vittorio De Palma "Husserls phänomenologische Semiotik," 2008. 『論研』関連の二次文献調査。どちらも、Klassiker Auslegenシリーズの『論研』の…

Husserl, Hua XXVI, Beilage XVIII

Edmund Husserl, "Das Urteil und die Urteilsidee," 1910. 1910年秋に執筆された草稿。修論を書いていたときは、この草稿でもフッサールは命題のスペチエス説に舞い戻ってしまうと見なしていたが、これは完全な誤読だった。フッサールはすでにスペチエス説…

Husserl, Hua XXVI, Beilage XVII

Edmund Husserl, "Das Urteil im Unterschied zum Urteilen" (15.9.1910) 1910年9月15日に執筆された草稿。『論研』で提唱された命題のスペチエス説にあの手この手で反論を加えつつも、結局そこに戻っていってしまうふらふらした草稿。この頃までのフッサー…

Husserl, Hua XXVI, Beilage XIII-XVI

Edmund Husserl, "1) Erscheinung, 2) Sinn, 3) Bedeutung=gegenständliche Beziehung," wohl 1909. Edmund Husserl,"Ontische Bedeutung in der Sphäre der Wahrnehmungen und der schlichten Anschauungen," 1908. Edmund Husserl, "Die Möglichkeit der S…

Husserl, Hua XXVI, Beilage XII

Edmund Husserl, "Sachverhalt---Sachlage---Propositionale," 1908(?). もろもろの業務がようやく終わったので、1908年のものとされる草稿を全訳しつつ読む。たとえば「a>b」・「b*1は何かという話から始まって、確定記述の用法の区別に酷似した話*2だとか…

読み散らかし

Iso Kern, Husserl und Kant, 1964. Rebecca Paimann, Formale Strukturen der Subjektivität, 2002 A. D. Smith, Husserl and the Cartesian Meditations, 2003. 年度の頭は細切れにしか時間が取れないので、自分の研究は目下棚上げ中。例の書類を書かなけ…

さらに読み散らかし

Mary Harnett, "The Aproach to the Problem of God in Husserl's Thinking," 2000. Smith本の形而上学の箇所を読んでいると、やはり神の位置づけが気になるので、ちょっと前にダウンロードしていた論文を読む。私見では、神についてのフッサールの見解とい…

Mayer 2009

Verena Mayer Edmund Husserl, C.H. Beck, 2009. 届いたので拾い読み。『論研』を各研究ごとに丁寧に扱いつつも、構成だとか生活世界だとかいった中期・後期の議論についても明快な描像を与え、さらに倫理学方面の話まできちんと押さえてあるのに200ペー…

Husserl, Hua. XXVI

ここ数日かけて、 Edmund Husserl Vorlesungen über Bedeutungslehre, Beilage I-IV. を訳しながら読む。あらためて丁寧に検討してみると、命題と事態の身分をめぐってフッサールがいろいろ悩んでいるのがよく分かって面白い。命題を事態と同一視する作戦と…

Husserl, Hua. XXXVI

Edmund Husserl Transzendentaler Idealismus, Nr. 7. 1914年か15年の草稿。前半部分を読む。6番までのテクストとは違って、世界内に身体を持つ主観の役割が強調されはじめるのだけど、現実世界の構成分析において身体を持った主観が欠かせないという結論を…

Husserl, Hua. XXXVI

Edmund Husserl Transzendentaler Idealismus, Nr. 6, §§12-14. 一連の仕事終了後の放心期間をそろそろ終わらせるべく再始動。放置したままだった最後の数頁をきっちり読む。(あらゆる可能な作用の総体としての)純粋意識の存在の必然性と、コギトの明証性…

Husserl, Hua. XXVI

Edmund Husserl, Vorlesungen über Bedeutungslehre, chap. 1. 訳文を作りながら読む。『論研』第一研究をほとんどそのまま繰り返すような表現と指標の区別の話に続き、表現作用がもつ二重の構造をどうやって分析するべきかという話がだらだらと続く。

Tieszen 2008

Richard Tieszen "Husserl's Concept of Pure Logic (Prolegomena, §§ 1-16, 62-72)," 2008. つい先日公刊された、『論研』をパートごとに分けて読解する論文集*1の第一章。ふつうの解説に徹したという感じ。 *1:http://www.akademie-verlag.de/olb/de/1.c.1…

Benoist 2008

Jocelyn Benoist "Sur le concept de 'remplissement'," 2008. 久しぶりに真面目にフランス語を読む。"Phenomenological Approach to meaning"の第一講義で示されたフッサールの充実概念についての魅力的かつ斬新な解釈をあらためて論じつつ、敷衍している。…

Luft 2007

Sebastian Luft "From Being to Givenness and Back: Some Remarks on the Meaning of Transcendental Idealism in Kant and Husserl," 2007. カントの超越論的観念論とフッサールのそれを(フッサール自身がしばしばそうしてしまったように)、単に対立させ…

Lübcke 1999

Poul Lübcke, "A Semantic Interpretation of Husserl's Epoché," 1999. というわけで、報告。いろいろ誤解をしていて、かなり変な解釈をしているところもあるのだけど、あくまでも重要なポイントを内包しつつ間違っている。これを解きほぐして何がまずいの…

Lübcke 1999

Poul Lübcke, "A Semantic Interpretation of Husserl's Epoché," 1999. 次週の勉強会で取り上げる候補を下読み。胡散臭げに見えそうなタイトルではあるけれども、内容はかなりまっとうな論文だということが分かったので、これについて報告しようと思う。

Ryckman 2007

Thomas Ryckman, "Carnap and Husserl," 2007. 次の課題に向けた準備運動として読む。Ryckmanは、フッサールの超越論的観念論を形而上学的に中立的な立場として解釈し、Aufbauのカルナップ*1と(重大な相違*2があるにもかかわらず)問題意識を共有していると…

Husserl, Hua. Mat. V

Edmund Husserl Urteilstheorie. Vorlesung 1905, 2002. やるべきことをやる気が出ないので、今やらなくてもいいことをやったら、とてもはかどった。昨日と今日で第一部を読了。基本的に『論研』の問題設定の上を動いているのだけど、命題と判断作用の関係に…

Welton 2003

Donn Welton "THe Systematicity of Husserl's Phenomenology: From Static to Genetic Method," 2003. さっと読む。フッサールの思想が1920年代前半にどうやって進展したかについての論述は、かなり説得的。後期フッサールを読むための絶好の見取り図ないし…

1907-9年あたりのフッサールをいろいろ

超越論的観念論が成立したころのフッサールのテクストを、いろいろ読む。Hua. VII, XIII, XXIV, XXVI, XXVIII, XXXVIあたり。ここしばらくは志向性の存在論に気を取られ、実証的な経験科学としてのフッサール文献研究のやり方をちょっと忘れてしまっていたの…

Priest 1999

Stephen Priest "Husserl's Concept of Being: From Phenomenology and Metaphysics," 1999. 斜め読み。いろいろと細部にわたってフッサールを誤解しているとのだけど、いくつか重要な論点を提出しているような気がする。今度もう少し真面目に読んでみるか。

Husserl, Hua. XXXVI

Edmund Husserl, Transzendentaler Idealismus, Hua. XXXVI, Nr. 6, §7. レアールな事物は射影するが、体験は射影しない、という例のアレ。フッサールがここから引き出したい帰結は、認識論的というよりも存在論的なものだと思うのだけど、果たしてどうなの…

Husserl, Hua. XXVI

Edmund Husserl, Vorlesungen über Bedeutungslehre, §§ 37-8. 訳読。引き続き、明快な叙述が続く。純粋論理学的判断は、明証的であるために一切の直観(変様された直観としての想像さえも)を必要としないとはっきり書いてある。まあ、分析性にかんしてフッ…

Husserl, Hua. XXVI

Edmund Husserl, Vorlesungen über Bedeutungslehre, § 36. 訳しながら読む。事実に関わる判断と本質に関わる判断の区別をしている箇所。アポステリオリな否定判断をどう扱うか(否定的事態を、肯定的事態と同じ身分のものと認めるかどうか)についての見解…

Husserl, Hua. XXVI

Edmund Husserl, Vorlesungen über Bedeutungslehre, §§ 35. 訳しながら読む。やはりこの辺の話は初期超越論的観念論と直結している。レアールな可能性の総体としての世界、とかあの辺の話題。

Husserl, Hua. XXVI

Edmund Husserl, Vorlesungen über Bedeutungslehre, § 34. 訳読。(a)から(c)までの下位区分がある8ページにわたる節とはいえ、やや減速してしまった。いろいろな「合致Deckung」関係を区別しているところ。具体的にはどういうケースが考えられているの…

Husserl, Hua. XXVI

Edmund Husserl, Vorlesungen über Bedeutungslehre, §§ 31-3. あいかわらず同じ作業。志向的対象としての意味を導入しつつも、実質的にはスペチエス説へと後退してしまう*1、というフッサールの迷走(これは、1911年春の草稿まで続くことになる)が、このあ…

Husserl, Hua. XXVI

Edmund Husserl, Vorlesungen über Bedeutungslehre, §§ 29-30. 訳読。フッサールがここで使っている「同値Äquivarenz」概念は、ふつうのそれとちょっと違うので注意が必要だ。pとqがこのいみで同値であるのは、「pという事態=qという事態」が成り立つとき…

Husserl, Hua. XXVI

Edmund Husserl, Vorlesungen über Bedeutungslehre, §§ 26-8. 引き続き訳しながら読む。『イデーンI』の重要なポイント(一般的な志向性理論が、理性と現実の相関についての議論に先立つ)とも関連する、重要な箇所。「想定Assumtion」の話は、よく分から…