reading

Hanna 2008, De Palma 2008

Robert Hanna, "Husserl's Arguments against Logical Psychologism (Prolegomena §§ 17 - 61)," 2008.*1 Vittorio De Palma "Husserls phänomenologische Semiotik," 2008. 『論研』関連の二次文献調査。どちらも、Klassiker Auslegenシリーズの『論研』の…

Lewis 1986

David Lewis, On the Plurality of Worlds, 1986, 1.7-9. ちょっと前から始まっていた勉強会の担当が回ってきたので準備のために読む。ルイスの様相実在論はより正確にはどのように描写されるのか、ということが問題にされる箇所なので、基本的に誰も積極的…

Ierna 2008

Carlo Ierna "Husserl's Critique of Double Judgements" 博論の作業がやや行き詰まっているので、あまり関係ない(けどまったく関係がないわけではない)ものを読む。後期ブレンターノの二重判断論に対するフッサールの批判について。ブレンターノ学派の文…

Moran 2007

Dermot Moran, "Fink's Speculative Phenomenology: Between Construction and Transcendence," 2007. Bruzina本の書評といって差し支えない内容。この本の重要性を評価しつつも、辛辣なコメントが随所で挿入される。たとえば、これ: There is no doubt tha…

Husserl, Hua XXVI, Beilage XVIII

Edmund Husserl, "Das Urteil und die Urteilsidee," 1910. 1910年秋に執筆された草稿。修論を書いていたときは、この草稿でもフッサールは命題のスペチエス説に舞い戻ってしまうと見なしていたが、これは完全な誤読だった。フッサールはすでにスペチエス説…

Husserl, Hua XXVI, Beilage XVII

Edmund Husserl, "Das Urteil im Unterschied zum Urteilen" (15.9.1910) 1910年9月15日に執筆された草稿。『論研』で提唱された命題のスペチエス説にあの手この手で反論を加えつつも、結局そこに戻っていってしまうふらふらした草稿。この頃までのフッサー…

Husserl, Hua XXVI, Beilage XIII-XVI

Edmund Husserl, "1) Erscheinung, 2) Sinn, 3) Bedeutung=gegenständliche Beziehung," wohl 1909. Edmund Husserl,"Ontische Bedeutung in der Sphäre der Wahrnehmungen und der schlichten Anschauungen," 1908. Edmund Husserl, "Die Möglichkeit der S…

Husserl, Hua XXVI, Beilage XII

Edmund Husserl, "Sachverhalt---Sachlage---Propositionale," 1908(?). もろもろの業務がようやく終わったので、1908年のものとされる草稿を全訳しつつ読む。たとえば「a>b」・「b*1は何かという話から始まって、確定記述の用法の区別に酷似した話*2だとか…

読み散らかし

Iso Kern, Husserl und Kant, 1964. Rebecca Paimann, Formale Strukturen der Subjektivität, 2002 A. D. Smith, Husserl and the Cartesian Meditations, 2003. 年度の頭は細切れにしか時間が取れないので、自分の研究は目下棚上げ中。例の書類を書かなけ…

さらに読み散らかし

Mary Harnett, "The Aproach to the Problem of God in Husserl's Thinking," 2000. Smith本の形而上学の箇所を読んでいると、やはり神の位置づけが気になるので、ちょっと前にダウンロードしていた論文を読む。私見では、神についてのフッサールの見解とい…

Sokolowski (forthcoming)

Robert Sokolowski, "Review of J. N. Mohanty. The Philosophy of Edmund Husserl: A Historical Development," forthcoming. Husserl Studiesに載る予定の書評がOnline Firstに出てたので読む(本当はMohantyの本そのものを読む必要があるのだけど)。ノエ…

Wood 2005

Allen Wood, Kant, Blackwell, 2005, ch. 2. 今年度のカントゼミの準備もそろそろしておこうということで、第一章を読んだきりのWood本を読み始める。「伝統的形而上学と新しい自然科学との調停を試みる、最後の近世哲学者としてのカント」という描像を一貫…

Mayer 2009

Verena Mayer Edmund Husserl, C.H. Beck, 2009. 届いたので拾い読み。『論研』を各研究ごとに丁寧に扱いつつも、構成だとか生活世界だとかいった中期・後期の議論についても明快な描像を与え、さらに倫理学方面の話まできちんと押さえてあるのに200ペー…

Husserl, Hua. XXVI

ここ数日かけて、 Edmund Husserl Vorlesungen über Bedeutungslehre, Beilage I-IV. を訳しながら読む。あらためて丁寧に検討してみると、命題と事態の身分をめぐってフッサールがいろいろ悩んでいるのがよく分かって面白い。命題を事態と同一視する作戦と…

Husserl, Hua. XXXVI

Edmund Husserl Transzendentaler Idealismus, Nr. 7. 1914年か15年の草稿。前半部分を読む。6番までのテクストとは違って、世界内に身体を持つ主観の役割が強調されはじめるのだけど、現実世界の構成分析において身体を持った主観が欠かせないという結論を…

Husserl, Hua. XXXVI

Edmund Husserl Transzendentaler Idealismus, Nr. 6, §§12-14. 一連の仕事終了後の放心期間をそろそろ終わらせるべく再始動。放置したままだった最後の数頁をきっちり読む。(あらゆる可能な作用の総体としての)純粋意識の存在の必然性と、コギトの明証性…

Simons 2003

Peter Simons, "The Universe," 2003. 2005年のマイノング論文で参照されていたので、さきほどDLして斜め読み(家から一歩も出ずに大量の雑誌論文を入手できる時代と環境にいるというのはほんとうに幸せなことだ)。「宇宙 the universe」を、存在するものす…

Two Papers on Meinong

昨日、次の二本の論文を読む。 Marie-Luise Schubert-Kalsi "Meinong's criticism of Husserl's "Ideas I"," 1982. 『イデーンI』に批判的なコメントをつけているマイノングの遺稿を取り上げた論文。まあだいたい予想通りの批判というか何というか。Kalsiも…

Voltolini 2000&2006

Alberto Voltolini, "Are All Alleged Possible Objects There?," 2000. Alberto Voltolini, "Are There (Nonexistent) Intentionalia?," 2006. 一昨日読んだもの。2006年論文は基本的にTim Crane批判(心的状態の個別化に志向的対象を使っておきながら志向…

nonexistence, possibilia, impossibilia

嵐のような一週間が過ぎたと思ったら、次の課題がもう眼の前に。残されたわずかな時間でどの文献を読むべきかを決めるため、二日ほどかけて次の論文を眺める。 Peter van Inwagen, "Two Concepts of Possibile Worlds," 1986 Peter van Inwagen, "Meta-Ontol…

Simons 1986

Peter Simons "Alexius Meinong: Gegenstände, die es nicht gibt," 1986. 今月末に急遽やることになった短めの発表の準備の一環として読む。コンパクトなマイノング入門で非常に明快。

Mohanty 1984

J. N. Mohanty "Husserl on `Possibility'," 1984. ライプニッツ主義者としてのフッサール。いろいろと反対したい部分もあるのだけど、様相に関するフッサールの発言をあちこちから引っ張ってきてくれているので、かなり使える論文だと思う。

Kosowski 2008

Łukasz Kosowski "Noema in the Right of Contradiction, Conflict, and Nonsense: The Noema as Possibly Thinkable Content," 2008. ざっと目を通す。インガルデンに多分に影響を受けたノエマ解釈。ノエマと(場合によっては存在しない)現実の対象を数的…

Linsky and Zalta 1991

Bernard Linsky and Edward N. Zalta "Is Lewis a Meinongian?" 1991.*1 現代マイノング主義の諸相を簡単におさらいした上で、ルイスの形而上学におけるマイノング主義的側面とそうでない側面を峻別する。非常にクリアに書かれているので、いろいろ勉強にな…

Mulligan 2009

Kevin Mulligan "Truth and the Truth-maker Principle in 1921," 2009. 前々から気になっていたものがようやく公刊され手元にやってきたので、さっそく読む。truth-maker maximalism*1を最初に定式化し擁護した哲学者として、Pfänder(とMcTaggart)を取り…

DuBois and Smith 2008

James DuBois & Barry Smith "Adolf Reinach," 2008*1 次の課題に向けて、昨年SEPに追加されたライナッハについての項目を読む。いろいろ思い出すのには便利。 *1:http://plato.stanford.edu/entries/reinach/

Hickerson 2005

Ryan Hickerson "Getting the Quasi-Picture: Twardowskian Representationalism and Husserl's Argument Against It," 2005. トヴァルドフスキの表象主義を正確に定式化し、その上でフッサールによる批判を吟味する。残念なことに、Zur Lehre vom Ihalt und…

Schnieder and von Solodkoff 2009

Benjamin Schnieder and Tatjana von Solodkoff, "In Defence of Fictional Realism," 2009. 斜め読み。虚構対象を抽象的対象としてみとめる実在論的な立場(たとえば、Thomassonやvan Inwagen)に対するEverettによる批判を検討し、これを退けることで実在…

Meinong and Lewis on "impossibile" entities

Arkadiusz Chrudzimski, Gegenstandstheorie und Theorie der Intentionalität bei Alexius Meinong, 2007, ch. 8. David Lewis, On the Plurality of Worlds, 1986, ch. 4.3. 19世紀後半以降の「極端な実在論」界における二大巨頭について調べもの。

Ingarden 1963

Roman Ingarden, "Die wissenschaftliche Tätigkeit Kasimir Twardowskis," 1963. ポーランド語論文の独訳。Zur Lehre vom Inhalt und Gegenstand der Vorstellungenについてのくだりが面白い。さすが直弟子だけあって、後の解釈者に見逃されがちなポイント…