Kant, KpV

  • Immanuel Kant, Kritik der praktischen Vernunft.

演習で担当にあたっているので、準備のために読む。じつにタイムリーなことに、純粋実践理性の要請としての魂の不死と神の実在についてのくだり。難しいけど面白いし、独特の迫力がある文章。理性的信仰に関わるこの辺の話を余分なものとして切り捨てるかカント哲学の全体像への鍵と見なすかによって、見えてくるものはだいぶ違うよな。

Luft論文を踏まえて読むと、フッサールがいかにも好きそうな話だということに気付かされる。のだけど、難しすぎる。いずれにせよ、この辺の話は博論以降の研究計画に属するものだろう。さしあたって押さえるべきは、『単なる理性の限界内における宗教』を押さえる必要があるけど、Kern本によるとフッサールはこの本に目を通していないらしいので、取り扱いが難しい。あと二次文献として重要なのは、

  • Allen W. Wood, Kant's Moral Religion, 1970.

あたりだろうか。これまたタイムリーなことに、来年ペーパーバック版で復刊する模様*1