metaphysics

Lewis 1986

David Lewis, On the Plurality of Worlds, 1986, 1.7-9. ちょっと前から始まっていた勉強会の担当が回ってきたので準備のために読む。ルイスの様相実在論はより正確にはどのように描写されるのか、ということが問題にされる箇所なので、基本的に誰も積極的…

Simons 2003

Peter Simons, "The Universe," 2003. 2005年のマイノング論文で参照されていたので、さきほどDLして斜め読み(家から一歩も出ずに大量の雑誌論文を入手できる時代と環境にいるというのはほんとうに幸せなことだ)。「宇宙 the universe」を、存在するものす…

Two Papers on Meinong

昨日、次の二本の論文を読む。 Marie-Luise Schubert-Kalsi "Meinong's criticism of Husserl's "Ideas I"," 1982. 『イデーンI』に批判的なコメントをつけているマイノングの遺稿を取り上げた論文。まあだいたい予想通りの批判というか何というか。Kalsiも…

Voltolini 2000&2006

Alberto Voltolini, "Are All Alleged Possible Objects There?," 2000. Alberto Voltolini, "Are There (Nonexistent) Intentionalia?," 2006. 一昨日読んだもの。2006年論文は基本的にTim Crane批判(心的状態の個別化に志向的対象を使っておきながら志向…

nonexistence, possibilia, impossibilia

嵐のような一週間が過ぎたと思ったら、次の課題がもう眼の前に。残されたわずかな時間でどの文献を読むべきかを決めるため、二日ほどかけて次の論文を眺める。 Peter van Inwagen, "Two Concepts of Possibile Worlds," 1986 Peter van Inwagen, "Meta-Ontol…

Linsky and Zalta 1991

Bernard Linsky and Edward N. Zalta "Is Lewis a Meinongian?" 1991.*1 現代マイノング主義の諸相を簡単におさらいした上で、ルイスの形而上学におけるマイノング主義的側面とそうでない側面を峻別する。非常にクリアに書かれているので、いろいろ勉強にな…

Mulligan 2009

Kevin Mulligan "Truth and the Truth-maker Principle in 1921," 2009. 前々から気になっていたものがようやく公刊され手元にやってきたので、さっそく読む。truth-maker maximalism*1を最初に定式化し擁護した哲学者として、Pfänder(とMcTaggart)を取り…

Schnieder and von Solodkoff 2009

Benjamin Schnieder and Tatjana von Solodkoff, "In Defence of Fictional Realism," 2009. 斜め読み。虚構対象を抽象的対象としてみとめる実在論的な立場(たとえば、Thomassonやvan Inwagen)に対するEverettによる批判を検討し、これを退けることで実在…

Meinong and Lewis on "impossibile" entities

Arkadiusz Chrudzimski, Gegenstandstheorie und Theorie der Intentionalität bei Alexius Meinong, 2007, ch. 8. David Lewis, On the Plurality of Worlds, 1986, ch. 4.3. 19世紀後半以降の「極端な実在論」界における二大巨頭について調べもの。

three articles on tropes

John Bacon, "Tropes," 1997/2008.*1 Arcadiusz Chrudzimski, "Two Concepts of Trope," 2004. Käthe Trettin "New Literature on Tropes," 2004. 年内に終わらせるべきことを終わらせたので、次に終わらせるべきことに取りかかるべきなのだけど、その前…

Baxter 2001

Donald L. M. Baxter, "Instantiation as Partial Identity," 2001. Thomasson本勉強会の後釜で、参加者が各自の関心で論文を選んで報告する勉強会が始まる。しょっぱなから癖の強い論文。普遍者についてのアームストロングの見解が話の大前提にある、きわめ…

Thomasson 1999

Amie L. Thomasson, Fiction and Metaphysics, chap. 8. 第八章後半部。Thomassonによるカテゴリ論の実践編というか簡単なデモンストレーションというかそんな感じ。どうも彼女が「theory of categories」ということで考えていることがしっくりこない。あと…

Mulligan 1998

Kevin Mulligan "Relations---Through Thick and Thin," 1998. 主に再来月の発表のために読む。「being happier than」・「hit」といった「厚いthick」関係は、その関係の項(およびその性質など)と、「薄いthin」関係(たとえば「being greater than」)に…

ルイス2006

デイヴィド・ルイス 「普遍者の理論のための新しい仕事」、2006。 性質について何か読みたいと思ったので、やっと最後まで読み切る。なぜもっと早く読まなかったのか。とても面白い。

Thomasson 1999

Amie Thomasson, Fiction and Metaphysics, 1999, ch. 8. 勉強会。Thomassonが「カテゴリ論」ということで理解していることが、いまいちよく分からない。

Thomasson 1999

Amie Thomasson, Fiction and Metaphysics, 1999, chap. 7. 勉強会。抽象的人工物としての虚構対象を認め、虚構に関する言明を二つのクラスにわけるThomassonの戦略の概略と、その利点について。これで第七章は終わり。残るはあと三章。

Thomasson 1999

Amie Thomasson, Fiction and Metaphysics, 1999, chap. 7. 勉強会。マイノング主義の2ヴァージョン(ParsonsとZalta)を検討している箇所。(たとえば歴史小説に登場するような)虚構作品内の「実在の人物」の問題は、きちんと考えると面白いかもしれない…

Chisholm 1971

Roderick Chisholm, "States of Affairs Again," 1971. Davidson 1970への再反論。あるいみではチザムのチザムらしさがいちばん堪能できる、デイヴィドソンの批判に応える細かい部分は斜め読みで飛ばし読み。事態を導入するポイントを改めて述べる箇所だけ押…

Davidson 1970

Donald Davidson "Events as Particulars," 1970. Chisholm 1970への返答。出来事の再帰の問題を、(チザムのように抽象的な存在者としての事態を持ち出すのではなく)個別者としての事態だけから説明する路線を素描した後、副詞(句)を含んだ文の推論関係…

Chisholm 1970

Roderick Chisholm, "Events and Propositions," 1970. 事態についての見解を集めるために読む。チザムにしたがえば、太郎は2008年9月10日の正午にくしゃみをするという事態は命題で、太郎はくしゃみをするという事態は出来事であることになる。こちらが「個…

Chisholm 1976/79

Roderick Chisholm, Person and Object, Chap. 4. 第四章を最後まで。個別者としての出来事という発想に慣れてしまっていると、ここでチザムが述べていることはかなり異様に見えてしまう。同時代的にはどうだったのだろうか。

Chisholm 1976/79

Roderick Chisholm, Person and Object, Apphendix C, Chap. 4. 附論Cを読んでから、第四章を半分くらいまで。命題的態度の対象と内容の区別についての箇所が面白かった。フッサールがBedeutungslehreでとっていた戦略と似てなくもない気がする。あと、何を…

Chisholm 1996

Roderick Chisholm, A Realistic Theory of Categories, Part One. 再読。圧縮され過ぎで分からない箇所があいかわらず多数。「being such that p」なる性質(チザムの用語だと「属性 attributes」)を持ち出して命題を還元するのは、やはり反則技ではないか…

Chisholm 1976/79

Roderick Chisholm, Person and Object, Introduction. 後の"The Primacy of the Intentional"テーゼに近い考えは、すでにこのころから表明されている。が、後よりもずっと大づかみな定式化しか与えられていない。Perceivingもチェックしないと何とも言えな…