Two Papers on Meinong

昨日、次の二本の論文を読む。

  • Marie-Luise Schubert-Kalsi "Meinong's criticism of Husserl's "Ideas I"," 1982.

イデーンI』に批判的なコメントをつけているマイノングの遺稿を取り上げた論文。まあだいたい予想通りの批判というか何というか。Kalsiも論文の冒頭近くで指摘しているように、フッサールとマイノングがお互いの独創性をめぐって揉めたあとの話なので、マイノングのフッサールに対する態度は基本的に敵対的で、あまり好意的な読み方をしてないよなという感じ。

  • Peter Simons, "Meinong, Consistency, and the Absolute Totality," 2005.

最後の悪あがきとしてざっと読む。マイノング主義は矛盾律を犯しているのではないかというラッセル以来の批判や、(ふつうのいみで)存在するものもしないものもできないものも全部ふくめた全体("the absolute totality")を導入することは存在論を不整合へと導かないかという批判に対して応答する論文。これはかなりいい論文。圧縮された議論が多く、まだフォローできているとは言えないので、そのうちしっかりと時間を取って読みたい。