Chisholm 1971

  • Roderick Chisholm, "States of Affairs Again," 1971.

Davidson 1970への再反論。あるいみではチザムのチザムらしさがいちばん堪能できる、デイヴィドソンの批判に応える細かい部分は斜め読みで飛ばし読み。事態を導入するポイントを改めて述べる箇所だけ押さえておく。チザムとデイヴィドソンのやりとりがいまいち噛み合ない理由が見えてきた。志向性理論(この場合、命題的態度の内容と対象に関する理論)は、それ自体重要な問題であるばかりか、その扱いが形而上学の大系全体に大きな影響を及ぼすものである、というのが、チザムの発想の根本にある。で、デイヴィドソンはこの発想を共有しない。とればかりか、形而上学の方法についての大筋での一致に気をとられているせいなのか、デイヴィドソンは、この相違にあまり気付いていないのではないかという感じさえする。今回は出来事論を中心に据えるつもりではないのだけど、もうすこしこの辺を掘ってみるのも悪くないかもしれない。そうするととりあえず、この論文へのデイヴィドソンのさらなる応答か。