Husserl, Hua. Mat. V

  • Edmund Husserl Urteilstheorie. Vorlesung 1905, 2002.

やるべきことをやる気が出ないので、今やらなくてもいいことをやったら、とてもはかどった。昨日と今日で第一部を読了。基本的に『論研』の問題設定の上を動いているのだけど、命題と判断作用の関係に関して踏み込んだことを言わなくなっているのが特徴の一つ。意味と対象の水準の数的な区別(これは1908年の講義で動揺することになる)を保持する一方で、『論研』のスペチエス説は取りたくないというフッサールの気持ちがよく現われていると思う。で、「意味の水準と対象の水準をどう関係づけるか」という問題の流れで作用の分析の重要性が説かれるというパターンの論述が数回出てくるのだけど、どうにも詳細がはっきりしない。このあたりも、移行期ならではといった感じ。あと、現象学と記述的心理学(後の言葉だと、現象学的心理学)のニュアンスの違いについての(私見では、詭弁めいた)話がすでに登場しているのには驚いた。