phenomenology

Ryckman 2007

Thomas Ryckman, "Carnap and Husserl," 2007. 次の課題に向けた準備運動として読む。Ryckmanは、フッサールの超越論的観念論を形而上学的に中立的な立場として解釈し、Aufbauのカルナップ*1と(重大な相違*2があるにもかかわらず)問題意識を共有していると…

Husserl, Hua. Mat. V

Edmund Husserl Urteilstheorie. Vorlesung 1905, 2002. やるべきことをやる気が出ないので、今やらなくてもいいことをやったら、とてもはかどった。昨日と今日で第一部を読了。基本的に『論研』の問題設定の上を動いているのだけど、命題と判断作用の関係に…

Welton 2003

Donn Welton "THe Systematicity of Husserl's Phenomenology: From Static to Genetic Method," 2003. さっと読む。フッサールの思想が1920年代前半にどうやって進展したかについての論述は、かなり説得的。後期フッサールを読むための絶好の見取り図ないし…

1907-9年あたりのフッサールをいろいろ

超越論的観念論が成立したころのフッサールのテクストを、いろいろ読む。Hua. VII, XIII, XXIV, XXVI, XXVIII, XXXVIあたり。ここしばらくは志向性の存在論に気を取られ、実証的な経験科学としてのフッサール文献研究のやり方をちょっと忘れてしまっていたの…

Priest 1999

Stephen Priest "Husserl's Concept of Being: From Phenomenology and Metaphysics," 1999. 斜め読み。いろいろと細部にわたってフッサールを誤解しているとのだけど、いくつか重要な論点を提出しているような気がする。今度もう少し真面目に読んでみるか。

形而上学における志向性の方法

後半部分が思いっきり未完成のまま発表。まあ大筋に関しては問題ないようだ。あとはどれだけきちんと詰められるかという点だけ。

Husserl, Hua. XXXVI

Husserl, Hua. XXXVI

Edmund Husserl, Transzendentaler Idealismus, Hua. XXXVI, Nr. 6, §7. レアールな事物は射影するが、体験は射影しない、という例のアレ。フッサールがここから引き出したい帰結は、認識論的というよりも存在論的なものだと思うのだけど、果たしてどうなの…

Twardowski 1894.

Kasimierz Twardowski, Zur Lehre vom Inhalt und Gegenstand der Vorstellungen, 1894, §8. 第八節の最後まで。あいかわらず「徴表」の多義性について。言葉遣いに関する話が大半で、議論の進展らしい進展はあまりない。続く二節はかなり重要な箇所。

Husserl, Hua. XXVI

Edmund Husserl, Vorlesungen über Bedeutungslehre, §§ 37-8. 訳読。引き続き、明快な叙述が続く。純粋論理学的判断は、明証的であるために一切の直観(変様された直観としての想像さえも)を必要としないとはっきり書いてある。まあ、分析性にかんしてフッ…

Husserl, Hua. XXVI

Edmund Husserl, Vorlesungen über Bedeutungslehre, § 36. 訳しながら読む。事実に関わる判断と本質に関わる判断の区別をしている箇所。アポステリオリな否定判断をどう扱うか(否定的事態を、肯定的事態と同じ身分のものと認めるかどうか)についての見解…

Twardowski 1894

Kasimierz Twardowski, Zur Lehre vom Inhalt und Gegenstant der Vorstellungen, 1894, §8. 「表象されたものの部分 Teil des Vorgestelltes」として特徴づけられた「徴表 Merkmal」が、「表象されたもの」の多義性によって多義的になってしまうことと、多…

Husserl, Hua. XXVI

Edmund Husserl, Vorlesungen über Bedeutungslehre, §§ 35. 訳しながら読む。やはりこの辺の話は初期超越論的観念論と直結している。レアールな可能性の総体としての世界、とかあの辺の話題。

Husserl, Hua. XXVI

Edmund Husserl, Vorlesungen über Bedeutungslehre, § 34. 訳読。(a)から(c)までの下位区分がある8ページにわたる節とはいえ、やや減速してしまった。いろいろな「合致Deckung」関係を区別しているところ。具体的にはどういうケースが考えられているの…

Husserl, Hua. XXVI

Edmund Husserl, Vorlesungen über Bedeutungslehre, §§ 31-3. あいかわらず同じ作業。志向的対象としての意味を導入しつつも、実質的にはスペチエス説へと後退してしまう*1、というフッサールの迷走(これは、1911年春の草稿まで続くことになる)が、このあ…

Husserl, Hua. XXVI

Edmund Husserl, Vorlesungen über Bedeutungslehre, §§ 29-30. 訳読。フッサールがここで使っている「同値Äquivarenz」概念は、ふつうのそれとちょっと違うので注意が必要だ。pとqがこのいみで同値であるのは、「pという事態=qという事態」が成り立つとき…

Husserl, Hua. XXVI

Edmund Husserl, Vorlesungen über Bedeutungslehre, §§ 26-8. 引き続き訳しながら読む。『イデーンI』の重要なポイント(一般的な志向性理論が、理性と現実の相関についての議論に先立つ)とも関連する、重要な箇所。「想定Assumtion」の話は、よく分から…

Husserl, Hua. XXVI

Edmund Husserl, Vorlesungen über Bedeutungslehre, §§ 22-5. 訳しながら読む。すでに何度も読んだ講義なので、大筋の理解は得ているわけだけど、細かいところでいくつか新たに気付いたことが。読み手の成長にあわせて容貌を微妙に変えていくことが古典のメ…

Twardowski 1894

Kasimierz Twardowski, Zur Lehre vom Inhalt und Gegenstant der Vorstellungen, 1894. 勉強会。フッサールの(形式的)存在論とほぼ同様の発想が出てくるが、ある点でフッサールとは決定的に違っている。この相違と志向性理論に関わる相違(それらはとうぜ…

Husserl, Hua. XXVI

Edmund Husserl, Vorlesungen über Bedeutungslehre, §§ 20-1. 訳しながら読む。フッサールのドイツ語は、慣れてしまえば意外とすんなり読めてしまったりすることも多いのだけど、それを日本語に直すのはまた別の話。

Husserl, Hua. XXVI

Edmund Husserl, Vorlesungen über Bedeutungslehre, §§ 18-9. 引き続き、訳しながら読む。「表象」が非常に多義的に使われるのがなんとも厄介だ。

Husserl, Hua. XXVI

Edmund Husserl, Vorlesungen über Bedeutungslehre, §§ 16-7. 翻訳しながら読む。名辞的表象の対象への関係を、それが述定という文脈において登場しうることから説明する箇所。そういった述定が真でない場合には、対象への関係はどうなるのか、という問いを…