Gorman 2006

  • Michael Gorman, "Talking About Intentional Objects," 2006.

Craneの志向的対象論文への批判。Craneは、志向的対象が何でないかをはっきりさせているが、それが何であるかをはっきりさせていない、という私的にはまったくもって賛成できる。のだけど、ではここで志向的対象の身分がより明確にされるのかというと、そうではない。というのも、Gormanによれば、志向的対象についての言明は、(その志向的対象を持つとされる)作用の充足条件についての言明に還元される。つまり、結局は副詞説の一形態に落ち着いてしまう。Gorman自身も明言するように、彼の立場は『論研』のフッサールにかなり近い。