Husserl, Hua XXVI, Beilage XVII

  • Edmund Husserl, "Das Urteil im Unterschied zum Urteilen" (15.9.1910)

1910年9月15日に執筆された草稿。『論研』で提唱された命題のスペチエス説にあの手この手で反論を加えつつも、結局そこに戻っていってしまうふらふらした草稿。この頃までのフッサールは、文の意味を(その真偽に関する態度決定なしに)単に理解することを想像的な判断と性急に同一視しようとしていて、そのためにスペチエス説から手を切れずにいる。こうした問題がそれ以前のテクストよりも明確に現われていて、フッサールが迷走しつつも徐々に前進していたことを伺わせる。問題の同一視に潜む問題に気付く1911年3月の草稿まであと半年。