Husserl, Hua XXVI, Beilage XII

  • Edmund Husserl, "Sachverhalt---Sachlage---Propositionale," 1908(?).

もろもろの業務がようやく終わったので、1908年のものとされる草稿を全訳しつつ読む。たとえば「a>b」・「b*1は何かという話から始まって、確定記述の用法の区別に酷似した話*2だとか、指示の因果説一歩手前みたいな話*3だとか、この時期のフッサールが言語哲学的問題に取り組む姿勢の本気具合を示唆する箇所が含まれている。が、分かりにくすぎる。フッサールの草稿ばかり読んでいると頭がおかしくなりそうなので他のものを読んでバランスをとりたいのだけど、そうも行かない事情がある。

*1:フッサール用語だと「事況Sachlage」なのだけど、じつはこれは非常にややこしい使われ方がされている。

*2:たしかChristian Beyerは、この草稿を根拠にしてフッサールにこの区別を帰属させていたはず。

*3:たしかDon Weltonがフッサールと指示の因果説みたいな話をしていたが、この草稿はその根拠の一つなのかもしれない。