Husserl, Hua. XXVI

ここ数日かけて、

  • Edmund Husserl Vorlesungen über Bedeutungslehre, Beilage I-IV.

を訳しながら読む。あらためて丁寧に検討してみると、命題と事態の身分をめぐってフッサールがいろいろ悩んでいるのがよく分かって面白い。命題を事態と同一視する作戦と、「成立していない事態」を持ち出さずに偽の(あるいは「存在しない対象」についての)命題を処理したい(つまり、成立している事態だけを認めたい)という考えのあいだを行ったり来たり。こうした問題をめぐる逡巡の痕跡は、『イデーンI』にはあまり見つからないのだけど、『経験と判断』にはいろいろ転がっていると思う。