第一章と第二章

第一章の執筆が思いのほか難航する。フッサールの主張にあいまいさが残っていることをまさにそのようなことととして明確化するという作業は、あいまいな主張を明確にすることよりもずっと難しい。平行して第一章および『論研』を扱う第二章の準備として以下を読む。

  • Karl Schuhmann, "Intentionalität und intentionaler Gegenstand beim frühen Husserl"
  • Barry Smith, "Logic and Formal Ontology"
  • Dan Zahavi, Intentionalität und Konstitution, chs. 1-3.

Schuhmannの論文は文献学的な情報以外は余り期待しないで読んだけど、これがなかなか面白かった。やたらに長いSmith論文は、これまでに読んだことのある論文と異なる論点はとりあえず見つからなかった。『論研』の参照と引用が豊富なので第二章を書くときに助かりそう。最初から通して読んだことがなかったZahavi本は、通読しようかどうか決めるために最初を読んでいたらいたらあっというまに第三章の終わりまで来た。これはいい本だとあらためて思う。