Kosowski 2008

  • Łukasz Kosowski "Noema in the Right of Contradiction, Conflict, and Nonsense: The Noema as Possibly Thinkable Content," 2008.

ざっと目を通す。インガルデンに多分に影響を受けたノエマ解釈。ノエマと(場合によっては存在しない)現実の対象を数的に区別するところもインガルデンと同じなんだけど、こうした解釈がフッサール解釈としてどこまで通用するかということは、かなり微妙な問題だと思う。インガルデン自身、ノエマ(純粋志向的対象)と現実の対象の区別によってフッサールの観念論的な立場を退けようとしていたわけだから、フッサール解釈としては、二つの対象を同一視する立場を保持していたはず*1

*1:オスロでの連続講義ではまた別の見解を示していたという話もあるので、インガルデンフッサール解釈をどう解釈するかという問題も、そう単純に片のつくわけではないのだけど。