Husserl, Hua XXVI, Beilage XIX

  • Edmund Husserl, "Das Problem der Idealität der Bedeutung," 1911.

ちょっと前に読み終わる。心的内容の個別化に関する内在主義に対して、パトナムの双子地球論法のさきがけと言えなくもない論法*1で批判を加え、内在主義的な立場を要請するスペチエス説をそれによって退けながらも、そのまま外在主義に与することはせず、内在主義と外在主義の中間地点(Beyerによれば、「対象依存なしの外在主義」)への着地を試みてふらふらする草稿。問題は、ここで確定した立場が表明されているのかどうかということ。後年の欄外書き込みには、この草稿の胆になる主張に対して「これは間違っている」という指摘がなされ、意味の同一性に関して何やら謎めいた覚書らしきものが残されている。もう忘れてしまいたいあの修論では、この覚え書きの内容がどのようなものであるのかを『イデーンI』に即して示そうとして、大失敗したのだった。この辺りの話題にそろそろ再挑戦してみてもいいような気もする。

*1:意外なことに、英語版wikipediaの双子地球の項目がこのことに触れている。http://en.wikipedia.org/wiki/Twin_Earth_thought_experiment